観法寺墳墓群は、金沢東部環状道路観法寺パーキングエリアの西側丘陵上に位置する弥生時代後期~中世の遺跡です。平成30年度から行ってきた観法寺パーキングエリアの改築に伴う発掘調査は、最後の現地調査となる今年度は主に丘陵尾根中央部の調査を実施しました。
今回の調査では、昨年度に続き、弥生時代後期~終末期(約1700~1800年前)の周溝で区画された墳丘墓が新たに3基見つかりました。その内の1基は、四隅突出型墳丘墓の可能性があり、埋葬施設から鉄剣やガラス小玉も出土したことから、この地域の有力者が埋葬されていたことをうかがわせます。
また、弥生時代後期の方形の竪穴建物1棟を確認し、同じ場所で建て替えが行われていたことがわかりました。尾根や斜面では大型土坑9基を確認し、北側斜面では集落を囲む環濠も見つかりました。これらの調査結果から、県内でも例の少ない弥生時代後期の高地性環濠集落の存在を確認することができました。今後は周辺遺跡との比較・検討や出土遺物の整理作業等を通し遺跡の解明を進めていきます。
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遺跡名 | 観法寺墳墓群 |
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時代 | 弥生時代~中世 |