令和4年度に続き第2次となる今回の調査でも、森下川や河北潟に起因する氾濫・湿地堆積層を挟んで上下二面の生活面を確認しました。
第1面では、平安時代から鎌倉時代の掘立柱建物、井戸、溝と室町時代の溝、小穴などを検出しました。中でも大型建物の規模や低地に面した微高地上に立地することが、新たに明らかとなりました。また、建物近くの井戸からは、井戸枠が検出され、漆器皿や木製の箸などが出土しました。
第2面では古墳時代の溝、土坑、小穴を検出し、土師器の小型甕や須恵器坏・甕などが出土しました。また、奈良・平安時代の建物、溝、土坑、小穴を検出し、柱根や柱の抜き取り痕跡が確認できました。
このように、今年度の調査では、度重なる水害により短期的な集落となった古墳時代や奈良・平安時代の様子と、地盤が安定し始めて沖積平野の開発が活発化した11世紀後半以降の立地環境や建物規模など、具体的な集落の様子をより一層明らかにすることができました。
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遺跡名 | 金沢市大場遺跡 |
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時代 | 古墳時代、奈良・平安、中世 |