調査地は小松市街地東方約4km、梯川中流右岸に所在する石部神社(加賀国総社・府南
社)の南~西方に位置します。総社周辺には古代末の加賀国府があったと考えられており、
調査区周辺には「タチ」などの小字名が残っています。
東側の調査区では平安時代から室町時代の遺構を確認し、西側の調査区では平安時代末
の生活面を挟んで上層に鎌倉・室町時代の、下層に平安時代の遺構面が存在することを確
認しました。上層の調査では、区画溝に囲まれた敷地内部に多数の柱穴や井戸、竪穴状遺
構などを重複して検出し、連綿と集落が営まれていたことが分かりました。
今年度の調査は主に上層を対象としたものでしたが、大量に出土した遺物の大半は下層
に相当する平安時代末の遺物でした。その時期に非常に活発な活動が行われていたことが
想像されることから、下層の調査に期待が膨らみます。
遺跡名 | 小松市古府シマ遺跡 |
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時代 | 平安時代~中世 |