江沼平野の中央部に位置する、古墳時代、奈良・平安時代～中世の集落遺跡です。今年度は、桑原交差点付近から庄町にかけての国道沿いと、津波倉町地内を対象に調査を行いました。 調査の結果、調査区域の主に東側には古墳時代～奈良・平安時代の集落跡が営まれる微高地が広がり、西側は自然河道が幾筋も流れる低地であったことが判りました。集落域では古墳時代の土坑や溝、平安時代の掘立柱建物跡が確認され、土師器や須恵器などの遺物が多数出土しました。中でも古墳時代の河岸で出土した甕は、朝鮮半島の技法でつくられた可能性があり、注目されます。また河跡では杭や板を用いた護岸や堰の跡が確認されたほか、板材を中心に建物の床板や柱などの部材、曲物などの容器、水辺での祭祀を彷彿させる斎串（いぐし）や多数の桃の種など、植物由来の遺物が数多く出土しました。
| 遺跡名 | 加賀市庄・西島遺跡 |
|---|---|
| 時代 | 古墳時代、奈良・平安時代～中世 |
調査区遠景（北東から）
河跡（古墳時代）
朝鮮半島の製作技法がみられる甕
溝跡（古墳時代）
堰跡（平安時代）
掘立柱建物跡（平安時代）