梯川右岸に広がる弥生時代~室町時代の集落遺跡です。平成25年度から梯川河川改修工事に伴う発掘調査を行っており、令和4年度春期は、上流側のP2区と下流側のR区・S区を対象に発掘調査を実施しました。
P2区下層では、弥生時代後期~平安時代に流れていた梯川の旧流路や弥生時代中期の集落を囲んでいた環濠の一部を確認しました。
また、隣接するR区・S区では、蛇行しながら流れていた旧流路沿いに弥生時代~室町時代の集落跡を確認し、掘立柱建物柱穴や井戸、竪穴状の土坑、水路状の溝など各時代の遺構がみつかり、流路が埋没した後に掘られた中世(室町時代)の井戸の中には、縦板組(桶か)の井戸枠と竹製のタガを持つものもありました。
遺構や包含層、流路などからは、弥生土器や土師器、須恵器をはじめ、加賀焼や越前焼、青磁、白磁などの陶磁器、土錘や円盤状陶製品などの土製品、行火や石臼などの石製品、曲物やタモ網枠木とみられる木製品、漆器椀、鉄滓など多彩な遺物が出土しました。
増水期(6~9月)の中断期間を挟み、秋期も調査を予定しています。
遺跡名 | 小松市 一針C遺跡 |
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時代 | 弥生時代~室町時代 |