矢田遺跡は、七尾市街地の東側に位置する弥生時代～中世の遺跡です。今回の調査では、市道東側に位置するB区で、弥生時代～古墳時代の川跡と平安時代の集落跡を確認しました。川跡からは古墳時代の土器や、農具や容器といった実用品のほか刀形や舟形といった祭祀具など、多様な木製品が多数出土しました。市道西側に位置するC区では、上層面で古代の水田跡を、下層面では古墳時代とみられる建物2棟と、弥生時代～古墳時代の川跡を確認しました。建物の一棟は3×4間の掘立柱建物で、もう一棟は庇を持つ大型建物の可能性が考えられます。川跡からはB区の川跡同様、古墳時代の大量の遺物が出土したほか、川底には、食料として貯めたクリの取りこぼしを当時のままに残す、弥生時代の貯蔵穴もみつかりました。
| 遺跡名 | 矢田遺跡 |
|---|---|
| 時代 | 弥生時代～中世 |
調査区と周辺の風景（南から）
B区下層 川跡の遺物出土状況（南から）
C区上層 古代水田跡完掘状況（南から）
C区下層 古墳時代の掘立柱建物（北から）
C区下層 川跡の遺物出土状況（北から）
C区下層 弥生時代の貯蔵穴のクリ出土状況（東から）