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公益財団法人 石川県埋蔵文化財センター

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最新発掘情報

能登地域 終了

輪島市 宅田上野山遺跡 前半調査区の発掘調査が終了しました

 令和5年度前半の調査区では、昨年度の調査区で検出した高床倉庫群の東側に古代(7世紀末~9世紀前半頃)の掘立柱建物柱穴が数多くみつかり、複数の掘立柱建物が整然と並んでいた様子が明らかとなりました。また、塀とみられる柱穴列、土坑、井戸、溝などの遺構も確認しています。これらの掘立柱建物群は、付近に存在していたとされる鳳至郡衙(古代の役所)で郡司層を務めていた、郡領クラスの在地有力豪族の居宅(豪族居館)である可能性があり、居宅の範囲は約半町(約55m)四方とみられます。
 東西方向に主軸を持つ3×5間の大型掘立柱建物1は、直径約80㎝の大きな柱穴が整然と並び、間仕切りを持つ構造の建物で、居宅の主屋とみられます。建物柱穴からの出土遺物が少なく、正確な時期は今後の整理作業により検討しますが、奈良時代(8世紀前半~中頃)の可能性があります。
 主屋の東側には南北方向に主軸を持つ大型掘立柱建物2~4が3棟並んでおり、さらにその東側には塀とみられる2列の柱穴列や1列の柱穴列を確認しました。
 また、平安時代(9世紀前半頃)になると東側にややずれた場所に新たな居宅が建て替えられています。
 これまでの調査成果からは、旧中学校運動場や校舎周辺一帯にかけて古代(奈良・平安時代)の掘立柱建物群が複数確認されており、調査地周辺は古代鳳至郡の中心となる地域の一つとみられます。
 この他、昨年度の調査に引き続き、縄文土器や製作途中の石鏃や石斧なども出土しており、石器を製作していた縄文時代の集落跡とみられます。

※現地説明会当日配付資料(8月27日実施)へのリンク ←ここをクリック

 #奈良時代 #平安時代 #掘立柱建物 #豪族居館

遺跡名 輪島市 宅田上野山遺跡
時代 旧石器時代~近世

現場の写真

  • 調査地の遠景(南から)

  • 調査区全景と建物配置案(南から)

  • 掘立柱建物群の全景(南東から)

  • 大型掘立柱建物1(西から)

  • 大型掘立柱建物2~4(南から)

  • 塀跡の柱穴列(北から)

  • 塀 柱穴出土の須恵器坏

  • 出土した縄文土器と石器

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