10月10日付けで紹介した前半調査区に引き続き後半調査区の発掘調査を実施しました。場所は輪島市街地の南方、河原田川沿いの低地の西に接する標高約25mの台地上です。前半調査区からは谷を挟んで東に約200mの距離にあります。
中央部南側で掘立柱建物の柱穴群を確認しました。前半調査区に並行する8~9世紀の建物と推定できますが、範囲が狭く建物の構成は把握できませんでした。 柱穴群は東にも広がっていたと推定されますが、調査区東部は近代の土取りにより地山の粘土層が失われていました。また西部から中央部北側は崖際の傾斜地で居住域としての利用は認められませんでした。
前半調査区の成果からこの付近が古代鳳至郡の政治的中心のひとつであることがわかりましたが、台地上に地点を異にしつつ古代の集落域が分散的に展開する状況から、その全体像の究明には広く宅田地区の台地全体を視野に入れる必要があるといえます。
遺跡名 | 宅田上野山遺跡 |
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時代 | 旧石器時代~近世 |