遺跡は、河原田川と鳳至川に挟まれた通称“上ノ山”と呼ばれる標高約23~24mの台地上にあります。国道249号線(輪島バイパス)の建設に伴う発掘調査が昨年度より行われ、縄文時代から江戸時代にかけての集落跡を確認しました。調査区中央の谷部では、縄文時代後期を中心とする土器や磨製石斧の未成品などが大量に出土したことから、石器製作の場であったと考えられます。また、谷部の両側では、奈良時代頃の掘立柱建物や土師器の焼成遺構とみられる土坑、幕末頃の加賀藩輪島在住の屋敷地の可能性がある柱穴などが発見されました。
今年度の調査は、昨年度調査区の東側の前半調査区とさらに東側に約200mほど離れた後半調査区の2カ所を予定しています。
現在実施中の遺構検出により、昨年度みつかった掘立柱建物の東隣に大型の柱穴が並んでいることがわかり、奈良時代頃の大型掘立柱建物が複数建っていたとみられます。また、縄文時代の土坑上面からは、縄文土器や石器が出土しており、遺跡の性格がより明らかになると期待できます。
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遺跡名 | 輪島市 宅田上野山遺跡 |
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時代 | 旧石器時代~中世 |