今回の調査では、旧森下川や旧河北潟に起因する氾濫・湿地堆積層を挟んで上下二面の生活面を確認しました。
第1面では室町時代(15~16世紀)の溝、小穴などを検出しました。特に屋敷地を区画する溝からは、土師器椀・皿や白磁皿、珠洲焼のすり鉢、越前焼の甕、中国製の青磁碗、銭貨、漆器椀など、多彩な遺物が出土しています。また平安時代から鎌倉時代(11~13世紀)の掘立柱建物や井戸も検出しました。第2面では古墳時代(6世紀)と奈良・平安時代(8~9世紀)の溝、土坑、小穴を検出し、土師器の小型壺や須恵器の坏・甕などが出土しました。
遺跡周辺は潟水位の上下変化や旧森下川の氾濫などの影響で軟弱な地でしたが、氾濫の影響は平安時代以降小規模になり、地盤が安定しはじめたことがうかがえ、11世紀後半以降、潟湖の恵みや水運の利便性を生かし、沖積平野を開発していった集落の様子を明らかにすることができました。
遺跡名 | 大場遺跡 |
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時代 | 古墳時代、奈良・平安時代、中世 |